今季初戦を迎えた羽生結弦(20=ANA)が、SPで93・14点をマークして首位発進。後半に配した4回転ジャンプの着氷が乱れたが、シニア参戦後の初戦としては、6季目で最も高得点で滑り出した。激突事故などアクシデント続きだった昨季は、世界選手権で2位に敗れた。王者返り咲きを狙うシーズンの鍵は何か。来年3月の世界選手権(米国・ボストン)までの約5カ月間、羽生の戦いが始まった。
(1)ライバル
次戦スケートカナダでは、世界選手権3連覇、ソチ五輪銀メダルで昨季は休養していたチャン(カナダ)と五輪後初対決する。「何も気負いはない」と話すが、五輪前までチャンを超えることが羽生の原動力の1つだった。ソチで達成したが、チャンのミスもあり「勝った」という実感は薄い。昨季は五輪王者という肩書に精神的に苦しんだが、3月の世界選手権で練習仲間のフェルナンデスに敗れると、再び追う立場に戻ることを「楽しみ」と表現した。再び「挑戦者」として向き合う中で、チャンとの争いが何をもたらすか。
(2)若手
成長には下からの突きあげも重要となる。国内では、3歳下の宇野昌磨がその役割を担いそう。シニア本格参戦の今季、今月3日のジャパンオープンではフリーで185・48点。世界歴代5位相当の成績を出した。数年前の羽生が、高橋大輔ら日本のトップに迫った構図に重なる。同じように、羽生にとっては、宇野の存在が大きくなりそうだ。今季の世界選手権は、日本男子の出場枠は2枠となる(昨季より1減)。選考会となる12月の全日本選手権の激しさは増す。
(3)2季目のSP
オーサー・コーチは「105、106点が取れる」と世界最高得点更新も視野に入れるが、滑り以外にも効果をもたらしそうだ。シーズン前の練習では、振り付けたバトル氏と幾度も話し合う姿があった。同氏は「自分の気持ちや考えを、より積極的に話してくれるようになった」。受け身でなく自己主張できている。コーチらに対し受け身でなく、能動的に動くことは20歳の大人のスケーターとして重要。SPにどんな磨きをかけてくるかが、18年平昌五輪へ向けても大きな意味を持つ。



