「絶対王者」が貫禄を示した。大学選手権9連覇を狙う帝京大が、2大会連続準優勝の東海大に快勝し、勝負強さを見せつけた。

 試合開始25秒。“帝京魂”に火が付いた。いきなり東海大のWTB小野木に先制トライを奪われた。「一気にスイッチが入った」。選手たちが口をそろえてこう言い、覚醒した瞬間だった。前半9分に同点、同37分にはWTB木村が中央に走り込んで逆転トライ。自陣22メートル以内で何度も攻められたが、強みの防御で運動量が高いFWが高速タックルを連発した。フッカーの堀越主将は「22メートルラインに入られてもゴールを割らせないのが帝京の伝統。先輩たちに恥じないプレーを心掛けた」と胸を張った。

 チームの環境づくりと入念な準備が勝利を呼び込んだ。環境面では、1年生が試合でのびのびとプレーできるよう、先輩を「○○くん」と呼び、上下関係の距離を縮めた。雑用は上級生が率先して行う。準決勝進出を決めた先月23日からは例年以上に東海大の分析に取り組んだ。主に(1)キックチェイス(2)タックル(3)留学生をテーマに絞り込み、ゲームイメージを持って練習に励んだ。先発したルーキーのSO北村は「ミスを恐れずプレー出来る。試合を重ねるごとにチームの一体感がある」。岩出監督も「今季一の会心の勝利。このゲームでさらに成長出来る」と決勝の明大戦に向けて自信をのぞかせた。前人未到の記録まであと1勝。深紅ジャージーが新たな歴史を刻む覚悟だ。【峯岸佑樹】