8月のジャカルタ・アジア大会柔道男子100キロ超級代表の王子谷剛志(26=旭化成)が15日、国際合宿で「脱日本食」に挑戦したことを明かした。

 スペインとイタリアでの2週間の国際合宿を終えて、羽田空港に帰国。日に焼けた精悍(せいかん)な顔つきで到着ゲートに現れ、両合宿について「柔道だけでない全ての経験がプラスになった」と、充実した表情で語った。米と牛肉が大好物の王子谷だが、今回の合宿では「(管理栄養士とも相談して)日本食を一切持っていかなった。米が食べたくなる中、(現地で)どれだけ対応出来るか。最悪の状況の中で、対応出来ないと試合も出来ないと考えた」と狙いを説明した。食事で苦労する中、現地ではピザやパスタを食し、厳しい稽古から体重は約5キロ減量したという。

 ほかの日本代表はスペイン合宿のみだったが、王子谷は同合宿後にイタリアでの独自の“居残り稽古”を敢行。「この1年間、大事なところで負け続けている。何か環境を変えないといけない」。そう考え、男子代表の井上康生監督らに直訴した。指導者は帯同せず、後輩3人とトレーナーとともに1週間汗を流した。「年齢的にも最年長で『自分がしっかりしないといけない』という気持ちになった。自覚も出て、人間としても少し成長出来たと思う」。

 アジア大会では2連覇が懸かる。「結果が全て。今は進化を求めて、いろいろなことに挑戦している。挑戦して失敗なら良い。チャレンジ精神を持って、前に進みたい」と決意を新たにした。