米国から大麻を密輸したとして大麻取締法違反、関税法違反の罪に問われた元五輪代表プロスノーボーダー国母和宏被告(31)の判決公判が28日に東京地裁(村田千香子裁判官)で行われ、懲役3年、執行猶予4年の判決が言い渡された。

今月8日に開かれた初公判で、国母被告は「間違いありません」と起訴内容を認めて結審していた。検察側は論告で「再犯の可能性が高い」と懲役3年を求刑し、弁護側は減刑を求めた。

起訴状によると、知人の男と共謀し、2018年12月に米国から大麻をワックス状にした製品約57グラムを国際スピード郵便で東京都内の知人宅へ発送、成田空港に到着させて密輸したなどとしている。共犯として起訴された男は昨年12月、懲役3年(執行猶予4年)の有罪判決を受け、確定している。

国母被告は初公判で「大麻は北米で14歳ごろから使用していた。英語がしゃべれず、大麻を吸うことがコミュニケーションだった」などと説明。過去に何度も妻から大麻使用をやめるよう注意されたことを明かし、「たくさんの人に迷惑をかけた」と釈明していた。一方で今回の入手ルートに関しては「黙秘します」と即答。「大麻に関わることがすべて違法だとは思っていない。日本で吸うことは違法なのでもうしません」とも話した。

国母被告は06年トリノ冬季五輪、10年バンクーバー冬季五輪に出場。嘆願書には14年ソチ五輪スロープスタイル金メダリストのセージ・コッツェンバーグ(米国)らトップ選手が名を連ねた。

バンクーバーでは日本選手団の公式服装でズボンをずり下げた「腰パン」が問題視され、謝罪会見の態度も批判された。