柔道男子代表の井上康生監督(41)が18日、優しい一面をのぞかせた。

東京オリンピック(五輪)代表選考会の1つであるグランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会(21~23日、ドイツ)に向かうため成田空港を出発。この日は1人で、集合時刻の35分前にチェックインカウンターに到着したが、報道陣の到着を配慮して「時間をつぶしてきます」と言って、空港内を歩き回った。長男(9)のためにドラゴンボールグッズや本屋などを探していたという。

取材時刻の定刻に戻り、記者13人に囲まれて対応。今大会の結果を踏まえ、27日にも五輪代表が決まる可能性があり、記者からは代表選考についての質問が飛び交ったが、1つ1つ丁寧に応じ「誰が東京五輪で勝てるかを選考する。この1年間の選考も含めて総合的に判断する」と話した。

14日には、男子66キロ級世界王者の丸山城志郎(ミキハウス)、同100キロ級のウルフ・アロン(了徳寺大職)、同100キロ超級の原沢久喜(百五銀行)の欠場が発表された。欠場については、3選手と会って話し合い「気持ちを切り替えて次に向けて準備してほしい」と奮起に期待した。

以下、出場選手

▽男子60キロ級 高藤直寿(パーク24)

▽男子66キロ級 阿部一二三(日体大)

▽男子73キロ級 大野将平(旭化成)

▽男子81キロ級 永瀬貴規(旭化成)

▽男子90キロ級 向翔一郎(ALSOK)

 

▽女子48キロ級 渡名喜風南(パーク24)

▽女子52キロ級 阿部詩(日体大)

▽女子63キロ級 田代未来(コマツ)

▽女子70キロ級 新井千鶴(三井住友海上)

▽女子78キロ級 浜田尚里(自衛隊)

▽女子78キロ超級 朝比奈沙羅(パーク24)

◆柔道の東京五輪代表選考 男女各7階級1人で、選手の準備期間確保を重視した「3段階」による選考で決める。(1)19年世界選手権優勝者が同11月のGS大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成で代表入りが決定。女子78キロ超級の素根輝(そね・あきら)のみが内定(2)同12月のマスターズ大会(中国)、2月のGSパリ大会、GSデュッセルドルフ大会終了時点で、強化委の3分の2以上が1、2番手の差が歴然としていると判断すれば代表選出(3)最終選考は4月の全日本選抜体重別選手権で、強化委の過半数の賛成で代表決定する。