【渡部文緒〈上〉】「このままじゃダメだ」浪人期間中に定まった夢、米国留学での学び

日刊スポーツ・プレミアムでは、毎週月曜日にフィギュアスケーターのルーツや支える人の信念に迫る「氷現者」をお届けしています。

シリーズ第68弾は渡部文緒トレーナー(52)が登場します。06年に高橋大輔を担当したことからフィギュアスケーターのサポートを開始。2月のミラノ・コルティナオリンピック(五輪)ではペアで金メダルの「りくりゅう」こと三浦璃来、木原龍一組をはじめ、女子で銀の坂本花織、初出場で銅の中井亜美を支えました。

第1回となる上編では、今冬の五輪の記憶を振り返りながら、トレーナーを志すようになったきっかけを深掘りします。(敬称略)

フィギュア

◆渡部文緒(わたなべ・のりお) 1974年(昭49)5月17日生まれ。北海道札幌市出身。有限会社ASシエーラ常務取締役。小学生の頃はサッカーとアルペンスキーに打ち込み、中学以降はサッカーに絞る。札幌社会体育専門学校を経て、米カンザス州「Dodge City Community College」で2年間の留学を経験。06年からフィギュアスケート男子の高橋大輔を担当。10年度全国高校サッカー選手権では担当していた京都府立久御山高が準優勝。22年から坂本花織、24年から三浦璃来、木原龍一組をサポート。現在は中井亜美や中田璃士らを担当。

渡部文緒トレーナー(左)と坂本花織(2026年2月撮影)

渡部文緒トレーナー(左)と坂本花織(2026年2月撮影)

「この仕事をやっていて良かった」歓喜のミラノ五輪で感じたこと

人生はどこで何があるか分からない。

50代を迎えた今、渡部はそう強く実感している。

「選手としてオリンピックに来ることはなかったので、その舞台に関わることができてすごく幸せでした」

2026年2月16日。ミラノ・コルティナ五輪ペア・フリー。

三浦、木原組が「グラディエーター」の最後のリフトを終えると、リンクサイドで見届けた渡部の目には涙があふれた。

コーチのブルーノ・マルコット、日本連盟強化部長の竹内洋輔と抱き合いながら、視界はぼやけていった。

振り返る声は、自然と弾む。

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。