スーパーラグビー(SR)の日本チーム「サンウルブズ」が、5季にわたったSRでの戦いを終えた。

サンウルブズを運営するジャパンエスアールは1日、交渉を続けていたSRのオーストラリア国内大会参戦断念を発表。渡瀬裕司最高経営責任者(CEO)は「このような結果となり、サンウルブズの試合再開を楽しみにお待ち頂いていた皆様には、その願いをかなえることができず、残念なご報告となりましたことをおわび申し上げます。今回の決定を受け、5シーズンに渡り参戦したサンウルブズのSRへの挑戦は終わりを迎えることとなります」とコメントした。

新型コロナウイルスの影響で、今季は3月14日クルセーダーズ(ニュージーランド)戦を最後に試合から遠ざかった。以降は7月3日から始まるとされるオーストラリア国内大会への参戦を目指し、6月初旬までに同国へ入国する準備を進めていた。だが、現在日本からオーストラリアに入国できない措置がとられており、仮に入国できても14日間の隔離、12週間滞在する拠点の用意など難題があり、オーストラリア協会から正式に大会参戦が不可能という通知を受けた。

今季は2月1日の開幕戦でレベルズ(オーストラリア)に勝利。最高のすべり出しとなったが、1勝5敗でシーズンを終えることになる。すでに今季限りでのSR脱退が決まっており、渡瀬CEOは「このような形でシーズンを締めくくることとなり、大変悔しい思いではありますが、世界で最もレべルの高いラグビーのリーグに参加できたことは大変光栄であり、名誉あることだと感じています」と思いをつづった。

サンウルブズは16年シーズンから日本代表強化の柱としてSRへ参戦し、南半球の強豪相手に経験値を積んできた。日本協会の森重隆会長は「サンウルブズの5年間の軌跡は決して消えるものではありません。昨年のW杯における日本代表の活躍が語られるとき、等しく、サンウルブズの存在がその活躍を導いたと、多くのファンの方々に語られていることがそれを証明しています。今後もサンウルブズの存在によって積まれた経験値を生かし、ファンや関係者の皆様と共に日本ラグビーのさらなる発展に向け取り組んでまいります」とコメントした。