日本バスケットボール協会(JBA)は19日、12月に行われる「ソフトバンク ウインターカップ2020」(23~29日)の開催概要を発表した。

会見した三屋裕子会長(62)は「インターハイや国体が中止になり、彼らの目指す場所をいかに作ってあげるかが責務だと思っていた中で、最後のウインターカップだけは何としても開催したかった」と思いを語った。

大会アンバサダーは、宮城・明成高で3連覇を達成した米NBAウィザーズの八村塁(22)が2年連続で就任。「昨年の開催から世界が一変してしまいました。今、限られた練習環境の中で出場をかけて予選を戦っていて、本当に大変だと思いますが、今持っている最大限の力を出し切ってバスケを楽しんで下さい」とメッセージを寄せた。

参加チーム数は昨年と同じ男女各60チーム。都道府県予選を勝ち上がった47校と登録数などに応じ、推薦された13校が出場する。会場は東京体育館(渋谷区)と武蔵野の森総合スポーツプラザ(調布市)の2カ所で行う。26日まではチーム関係者のみ入場は可能で、27日からは一般の観客も観戦可能となる。「無観客も考えたが、子どもたちがしっかり練習してきたことを、せめて関係者だけでも応援してもらいたいと考えた」と話した。

今後は政府や会場となる地域の定めたものを参考に、大会のガイドラインを策定して運営する。また出場する高校生への事前のPCR検査は行わず、体温などの健康チェックを小まめに行って対応する。三屋会長は「ちょっと熱があったくらいで休んじゃダメ、みたいなことはないように、体調管理をしっかりお願いしている」と明かした。

コロナ禍の不安がある中、年内での開催を決定した。「引退を決めた3年生も、その穴を埋めようと頑張っている下級生もいると思う。そんなすべての人たちの思いをかなえてやりたい」。

9月に女子Wリーグが、10月には男子Bリーグが開幕し、日本にバスケットが戻ってきた。12月、三屋会長の熱い思いを受けた高校生たちも、コート上で熱戦を繰り広げる。【松熊洋介】