同大が「1年生パワー」で3連勝を飾り、リーグ開幕(11月8日、関大戦)に弾みを付けた。54-21で近大に快勝。19年度高校日本代表の1年生プロップ山本敦輝(常翔学園)が、スクラムで押し込むなど力を見せつけた。

今季公式戦はリーグを2つに分け、同順位同士が最終節で対戦し最終順位を決める変則方式。5季ぶりの関西制覇へ、名門が順調に仕上がった。京産大は45-17で摂南大に勝ち、2連勝とした。

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名門の同大にしては珍しい1年生の抜てき。しかもプロップなのだから、なおさらだ。スクラムの最前列で重圧をかけたのは19年度高校日本代表の山本だった。前半を14点差で折り返し、後半6分にスクラムを力業で押し込んでトライにつなげた。さらに同33分にはモールから追加点。FWで圧力をかけて3連勝。リーグ開幕へ、勢いをつけた。

山本は1年生ながら今季3試合全て先発。神戸製鋼で活躍し、今季から指揮を執る伊藤紀晶ヘッドコーチは「安定したプレーをしてくれる。強い大学と当たって、レベルアップしてくれたらいい」と期待する。同大で1年からプロップで定位置をつかむのは、後に日本代表に選出された11年の北川賢吾(クボタ)の例があるが、同校関係者は「珍しいですよね」。同じ常翔学園(大阪)出身のCTB岡野喬吾(1年)とともに、チームに刺激を与える。

関西リーグは4連覇中の天理大が頭ひとつ抜け、同大と京産大が追う。中尾主将は「モールで簡単に点を取られた。守備から流れを作ることを意識しないといけない」と指摘。15年度以来となる関西制覇へ、準備は整った。【南谷竜則】

○…同大-近大戦で主審を務めたのは、トヨタ自動車で現役のSH滑川剛人(30)だった。トップリーグ開幕は来年1月のため、平日は選手として練習。週末に審判をする。帝京大出身。公式戦で笛を吹くのは3試合目。「僕は(選手として)W杯の舞台に立っていないので、レフェリーで立てたら面白い」と夢を描く。