山形中央セブンティーンが、花園1勝を目指す。全国高校ラグビー選手権は12月27日、大阪・花園ラグビー場で開幕する。東北6県の代表校を紹介する「花園で輝く」は山形編で、3年連続27度目の出場となる山形中央を紹介します。昨年は1回戦で報徳学園(兵庫)に、大会史上1試合最多失点となる162失点を記録する大敗(5-162)を喫した。この悔しさを味わったFW横尾輝(ひかる)主将(3年)らが奮起し、全国の強豪に挑んでいく。

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山形中央は04年以来の初戦突破に燃えている。10月の県予選決勝では、走力で圧倒する展開ラグビーで山形南を73-3で下し、決勝戦の歴代最多得点を18点更新してみせた。横尾主将は「(決勝戦)前日に佐藤大志監督(35)から、歴代最多得点を塗り替えようと話をされた。10トライ以上の目標を達成できて良かった」と振り返った。

現2、3年生は昨年に大敗を喫した花園の悪夢が脳裏に焼き付いている。横尾主将は「コンタクトも強く、サインプレーも上手で個人力でも差があった」と実力差を認める。花園に46度出場する名門に、前半だけで12トライ10ゴールを許し、0-80で前半を終えた。後半に入っても相手の猛攻にさらされたが、11分にゴール前左ラックから展開し、ラストパスを受けた吉田伊吹(2年)が意地のトライを決め、何とか完封は免れた。トライを決めた吉田は「自分たちがやってきたことも、トップの選手たちに通用することがわかって良かった」と、大敗にも収穫はあった様子だ。

15人制の高校ラグビー。昨年は花園出場校中最少のベンチ入り19人で、今年はさらに少ない17人とギリギリで挑む戦い。就任7年目の佐藤監督は「ここ3、4年は部員が20人に届くか届かないか。監督3年目の時に学年のクラスも減り、男女比も女子が増えた」と現状を説明。全国舞台へ向けては、「ケガをしない体作りが大切になる。試合では確実にトライを取れる展開を作って、少しでも得点を積み上げたい」と意気込む。横尾主将は「ここで1勝しないといけないという使命感はあります」。少数精鋭で団結し、16年ぶりの白星をつかみ取る。【相沢孔志】