卓球のTリーグは20日、今季初めて有観客での試合を開催した。埼玉・朝霞市立総合体育館で行われた男子の彩たま-東京に、206人の観衆がつめかけた。東京では五輪代表の張本智和(17)、水谷隼(31)、17日に全日本選手権で初優勝したばかりの及川瑞基(23)が出場した。試合は4-0で東京が圧勝した。

全日本で本調子が出ずベスト8で姿を消した張本は神巧也を3-0のストレートで下した。Tリーグは全日本のように試合中に大声を上げることは禁じられておらず得点のたび「チョレイ」と声を上げ、自分の気持ちを高めていた。

試合を終え張本は、全日本結果について「もう落ち込みはない。負けた当日には気持ちは切り替えられていた」と述べた。この日の試合については「久々に観客の前で試合をして全日本より2、3倍緊張した。早く有観客に慣れて、皆さまに良いプレーを見せたい」と語った。

2年前に全日本シングルスの“引退”を表明した水谷は昨年12月23日以来の試合。キレキレの仕上がりを見せ松平健太を3-1で破った。

昨年11月に開幕したTリーグは今季初めて観客を入れた。会場に訪れた朝霞市在住の山口純平さん(35=中学校教諭)は「テレビで見るのとはやはり違う。選手の息づかいも分かる。いろんな視点で選手を見られるので生観戦は良い」と感想を述べた。声を上げて応援をしないなど感染対策を施した大会運営には「中学校の大会でも制限をかけている。プロの大会が中学生へのお手本になってくれれば」と話した。

駆けつけたファンたちは、大声は上げないものの、一生懸命に拍手し、選手たちのプレーを後押ししていた。