今季限りでの活動休止方針が表面化した宗像サニックスブルースが、騒動発生後初の試合で白星を挙げた。今季前半戦を3勝2敗、勝ち点14で終え、3部6チーム中3位で折り返した。
松園正隆監督(48)は会見冒頭で「大変お騒がせして申し訳ありません。ホームページにも出ているように(休部は)検討中というのが現状です」と状況を説明。「選手は、私たちが目指す展開ラグビーをしてくれた。諦めず、サニックスのラグビーをしてくれた。うれしかった」。前半こそ10-7だったが、後半は4トライを奪い、相手を完封。平静でいられぬ環境で結果を出した選手を、誇らしげに振り返った。
事実上の廃部方針がチームに告げられたのは15日だった。ショック、怒りの色を見せ、衝撃を受ける選手に、松園監督は「まだ決まったことじゃない。私たちがコントロールもできない。みんなで大好きなラグビーをしよう。ファンのために、自分のために。切り替えは難しいけど、できると信じてチャレンジしよう」と話しかけた。FB屋宜ベンジャミンレイ主将(33)は「気持ちの切り替えが早くできる人、時間がかかる人もいる」と選手たちの思いを代弁。仲間に「これまでも、これからも応援してくれるファンのためにも頑張ろう」と訴えた。
元トップリーグのチームが、新リーグは振り分けで3部になった。17人もの選手が上位チームなどに大量移籍。一方で同じ九州で、トップチャレンジ(2部)だった昨季に廃部となったコカ・コーラからの9人を含む21人が加入した。「サニックスはもともとエリート集団じゃない。いろんな経験をしてきた選手、キャリアを積もうとする選手が入ってきて、残ったメンバーと一緒に“新生サニックス”で戦うつもりで迎えた」と松園監督。2部、1部への昇格を目指す戦いの最中、激震に見舞われた。
スタンドに観衆816人が集まった。試合前の会場周辺にはチーム存続の署名活動を行うファンの姿があった。屋宜主将は「あらためてファンのありがたさを感じます。僕らにできることは最後まで全力で戦うこと。それで感謝の気持ちを表していきたい」と心境を語る。シーズン残り5戦。ファンの思いも胸に、スタッフ、選手一丸で戦い抜くしかない。
◆宗像サニックスブルース 1994年(平6)創部。福岡県社会人Cリーグからスタート、96年度に西日本社会人Aリーグに昇格。リーグワンの前身トップリーグは初年度の03年度から参戦し、最高位は09年度7位。現日本代表ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフが現役時に、また元日本代表WTB吉田義人、FB岩渕健輔や19年日本代表レメキロマノラヴァらも在籍していた。


