東地区6位でワイルドカード(WC)4位の秋田ノーザンハピネッツが奇跡を起こす。西地区10位の京都ハンナリーズを71-63で下し、チャンピオンシップ(CS)初進出へ望みをつないだ。大黒柱の古川孝敏(34)が12得点、6アシストをマークし、アレックス・デイビス(30)は両チーム最多19得点、12リバウンドでけん引。通算成績を29勝23敗とした。敗れればCSは絶望的だったが、出場圏内のWC2位以内の可能性を残し、今季残り2試合にすべてをかける。

頼れるベテラン古川の一撃が、勝利をたぐり寄せた。54-49の第4クオーター(Q)残り7分22秒、スチールしたジョーダン・グリン(32)が左サイドに展開。背番号「51」がフリーで3点シュート(3P)を放ち、10点目をマークした。流れが悪くなった京都ベンチは、すかさずタイムアウト。古川は笑顔でケビン・ブラスウェル・アシスタントコーチ(43)と会話をしながらベンチに引き揚げた。

ホーム最終戦で今季最多の3432人のブースターが来場し、アリーナをチームカラーのピンク色に染めた。日本人最長の27分12秒コートに立った古川は、もっとも印象に残った選手であるMIPに選出。ヒーローインタビューでは「何よりも勝ててホッとしています」と話し、万雷の拍手を浴びた。「正直、自分の中で納得のいかないプレーがここ最近続いていた。かなりチームに迷惑をかけたと思いますし、みんなが助けてくれて、勝てたことが本当にうれしい」とかみしめながら言った。

秋田は前日4月30日にB1在籍5季目で初の勝ち越しを決め、この日の白星で29勝とした。今季リーグ戦は7、8日の最終節三遠戦のみ。2連勝すれば勝率5割7分4厘でフィニッシュとなる。CS進出を自力で決められないが、WC2位の三河、同3位のSR渋谷は、それぞれ3試合を残しており、両チームが3連敗、1勝2敗なら逆転で出場が決定。仮に1勝2敗だと三河が同5割6分6厘、SR渋谷が同5割5分9厘にとどまり、秋田が上回る。

目の前の1戦に全力を尽くす。「まずは自分たちが勝たないと意味がないし、他のところに集中する必要はない。残り2試合を勝ちきれるようにしっかり準備したい」。過去最強の秋田が奇跡を起こし、クラブ史をさらに塗り替えていく。【山田愛斗】