左アキレス腱(けん)断裂から復帰した花園近鉄ライナーズのオーストラリア代表SOクエイド・クーパー(35)が「1プレー限定出場」を前向きに捉えた。

先発で今季初出場するも、開始15秒で途中交代。

浦安(旧NTTコム)との入れ替え戦(5月7、13日)に登録するには規定により、リーグ戦に出場する必要があるための処置だった。

クーパーは「1秒でも意味はある」とキッパリ。さらにこう続けた。

「朝起きて、ストレッチをして、食事をして…。この後に大事な2試合(入れ替え戦)があるので、いいリハーサルになった。私は4歳からラグビーを始めて、17歳でプロになった。これは誰にでも与えられるものではない。特別な瞬間なのだ。試合に向けたマインドセット。ロッカールームは特別な場所であり、そこに入る。(ロッカーを出れば)ファンがいる前、フィールドに飛び出していく。その一瞬、一瞬が貴重だった」

オーストラリア代表として臨んだ昨年8月の南半球4カ国対抗・アルゼンチン戦で負傷。手術を受け、長期離脱した。まだ完全合流はできておらず、コンタクトも最小限に止めたまま。

それでもチームのために、入れ替え戦に向けた準備を進めている。

交代してからも、ユニホーム姿のままでピッチの横を走り続けた。

「もっとプレーすることは可能だった。ただ、チームのためを考えると、今リスクを冒すべきではない。その分、フィットネスを続けた。チェック項目があり、達成しなければいけないことをやっている」

秋にはオーストラリア代表としてW杯を控える。15年大会はメンバー入りしながら決勝の舞台を踏めず、19年大会は落選。ただ、日本代表を率いた経験のあるオーストラリア代表のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、クーパーを代表復帰させる可能性がある。

「確かに(代表HCが)見ているかも知れないですけど、誰が見ているかは気にしていない。月曜、火曜…と、代表監督が見ていない時(練習)に、どれだけ頑張ることができるかが重要なのです」

花園を1部に残留させ、その先にあるW杯へ。

世界的な司令塔が、復活への第1歩を刻んだ。【益子浩一】