新進気鋭のスピードスターが、新天地で燃えている。日刊スポーツ東北版は、B2福島ファイヤーボンズに加入したポイントガード(PG)加藤嵩都(たけと、23)にインタビュー。
明星“ストリートボール”大学出身。21-22年、B2熊本の特別指定選手として経験を積み、22-23年はB3埼玉でリーグ2位に貢献。今季からB2福島と、着実にステップアップしている若武者だ。9月に行われた東北カップでは自身の成長を確認した。加藤にB2の舞台に挑む思いを聞いた。【取材・構成=濱本神威】
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東北カップは夢のような舞台だった。準決勝ではB1仙台89ERSと対戦。宮城県出身の加藤にとって「仙台89ERS」は小さいころからの憧れのチームだった。「小1の頃からずっと見てきましたし、やっぱり『いつかは入りたいな、でも雲の上の存在なのかな』と感じていた幼年期でした」。大学3年時には練習生として4カ月間、仙台(当時はB2)の一員となった。「その時もすごくかっこよく見えた。『このチームに入りたいな、この人たちみたいになりたいな』って」。「仙台89ERS」は自身の1つの基準として、心の中にあり続けた。
準決勝は16分10秒出場し、9得点3アシスト。積極的なドライブで持ち前のスピードも見せつけた。試合は80-86で敗れたが、憧れを相手に善戦。「やっと憧れてたチームと、対戦相手として同じコートで戦えるっていう…。ここまで来れたんだって自分の成長を感じました。夜は興奮で寝られなかった」。興奮のあまり、試合観戦に来てくれていた両親に電話。「やっとナイナーズと戦えたね。感動したよ、ナイナーズとタケが試合する日が来るなんて」と喜んでくれたという。「すごい幸せな日でした」。
ライバルの存在も東北カップを濃密な時間にした。仙台のPG/SG岡田泰希(24)は明星大の同期。9月16日に行われたトークセッションでは、ともに高め合ったライバルとコートの上で再会。岡田のコンディション不良で対戦はかなわなかったが、加藤は「続けていれば、今季じゃなくてもマッチアップする機会はあると思う。楽しみにしています」。ライバルとの再会を心待ちにした。
東日本大震災を契機に発足したクラブは今年で創立10周年。自身も震災を経験しており、B2福島の「福島に元気と夢と感動を届けたい」という思いに強く共感している。クラブの今季のシーズンスローガンは「シンカする」。「大学時代は戦術より個人で打開するチームだった。僕はあまりバスケットについて勉強してこなかった選手。福島に来てから昨季以上に細かいスキルを学べています」。加藤も「進化」の真っ最中。選手として飛躍の1年になることは間違いない。個人としても「B3からB2に来て、東北カップでこれだけアピールできた。今季で、B1でも戦えるんだという基盤をつくっていきたい」と血気盛ん。新たな1年へ、ブースターの大応炎を受け、一層燃え上がる。
▽仙台・岡田「ずっとライバルであり、良いチームメートとしてチームを引っ張っていた。タケはすごい、良い意味のバカですね」
◆加藤嵩都(かとう・たけと)2000年(平12)1月15日生まれ。宮城県出身。東北生活文化大高-明星大。明星大4年時の22年1月に特別指定選手としてB2熊本に加入。昨季はB3埼玉で1試合平均9得点、4・2アシストと高水準の成績を収め、チームのリーグ2位に貢献した。178センチ、73キロ。
◆明星“ストリートボール”大学 明星大バスケットボール部の通称。1対1の強さを重視し、ボール保持者が常にゴールを狙うよう、全員が仕掛けるストリートバスケのスタイルを取り入れているチームを表現した言葉。


