卓球男子の戸上隼輔(22=明大)が、22日に開幕する全日本選手権(東京体育館)で3連覇を狙う。この大会で締めくくられるパリ五輪シングルス代表2枠争いは2番手フィニッシュが決定的。2月の世界選手権団体戦(釜山)で日本が8強以上となれば、シングルスと団体戦で五輪初出場となる。勝負の舞台を前に、ライバル張本智和(20=智和企画)への思い、3連覇が持つ意味、そしてパリへの決意を明かした。【取材・構成=松本航】
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「全日本選手権三連覇 二冠」「2024年パリ五輪金メダル」。戸上は迷わずに今年の抱負を色紙に記した。
戸上 人生を考えても、今年の全日本は一番大切にしていきたい。3連覇は大きな分岐点になると思う。今年も挑戦者。実績が上の張本選手を追い抜くための、1つのエンジンになる。自分のプレーをすれば優勝できると自覚しています。
2歳下の張本の背中を追いかけ、着実に存在感を高めてきた。22年に全日本選手権を初制覇。同年の世界選手権団体戦(成都)では、その張本とともに銅メダルをつかんだ。昨年の全日本も制し、東京五輪後に引退したエース水谷隼の後を継ぐ、日本男子“2枚看板”の1人となった。確かな手応えもある。
戸上 大げさに言うと、自分は「日本で一番攻撃が強い」という持ち味を持っている。プラス、この1年でミスが減って、ラリーでほぼ負けなくなっている感覚があります。
三重の卓球一家で育ち、3歳で握ったラケット。小4の頃に張本の存在を知った。初対戦は小6の13年だった。
戸上 「負けたくない」という気持ちで、初対決は3-1で勝てた。でも2回目以降は負け続けて「勝てる気がしない」という感じ。中学生になると、もう雲の上の存在でした。
転機は20年の全日本だった。山口・野田学園高3年の戸上は、準決勝での張本との高校生対決に3-4で敗れた。3-1から逆転負けしたが、リードしたことで「戦える、という自信がついた」一戦になった。
その自信を胸に22年、海を渡った。ドイツ1部オクセンハオゼンでプレー。約2年にわたるパリ五輪選考レースの前半にあたる年だったが、そのポイント対象のTリーグに出られないことは覚悟の上だった。
戸上 五輪金を目指すためには海外経験が足りていなかった。海外の強い選手といい試合はしても、勝ちきれないことが続いた。いろいろな戦型と戦い、過酷な環境で精神的に強くなりたいと思いました。
張本との対戦は、自身の現在地を確認する場でもある。ドイツでの経験も糧に、昨年11月の全農CUP大阪大会では決勝で4-1で勝利。かつて「勝てる気がしない」と思っていた男は、今やライバルといえる存在となった。
戸上 試合をやっていて楽しいと思う存在です。張本選手が先頭を進んでくれたおかげで、道がある。彼がいなければ、自分は代表にもなっていなかった。いつかは超えたい。
3連覇が懸かる全日本。前々回は対戦がなく頂点に立ち、前回大会は決勝で4-2で競り勝った。今回、互いに勝ち進んだ場合に相まみえる舞台は決勝。張本超えでの3度目の日本一を、パリへの弾みにする。
○…昨年末には初の公式グッズが完成した。水色基調のバナータオルで、戸上の公式サイトなどを経て購入できる。全日本選手権、世界選手権団体戦、パリ五輪と大舞台が続く24年を見据えて「タオルを手に、皆さんとチームとして戦っていけるとうれしいです」と呼びかけた。
◆戸上隼輔(とがみ・しゅんすけ)2001年(平13)8月24日、三重・津市生まれ。山口・野田学園高から20年に明大入学。18年から全国高校総体シングルス2連覇。全日本選手権では22年にシングルス&男子ダブルス2冠、23年にシングルス2連覇達成。世界選手権は21年男子ダブルス銅メダル、22年男子団体銅メダル。右シェーク攻撃型。大のプロレス好き。身長170センチ。


