東地区首位を快走する宇都宮ブレックスが「新たな武器」を手にした。
第2クオーター(Q)残り2分あまりの時だった。仙台のシュートがリングに弾かれた瞬間、比江島慎は相手ゴールに向かって走り始めた。リバウンドをキャッチした高島紳司は、すぐさま鵤誠司にパス。鵤は比江島に高速のチェストパスを繰り出す。受けた比江島は1回ドリブルをついて難なくゴール。高島のキャッチからわずか3秒での出来事だった。
比江島は「(鵤との)アイコンタクト。彼のパスはスピードが速くて」と苦笑いしながら振り返った。「超速攻」はほかにもあった。このプレーの直前には比江島から鵤へ、縦の速いパスが通り、鵤が得点をあげていた。第3Qにもトランジションから素早く比江島にボールがわたり、比江島が相手のファウルを誘ってフリースローを獲得。縦への速い攻撃が要所要所で効果的だった。
佐々宜央(さっさ・のりお)ヘッドコーチは「バイウイークの間に縦にいく練習をやった」と明かした。今季はもともとテンポアップを掲げていたが、リーグ戦中断期間中にあらためて、縦へ縦へ、時間をかけずに攻める練習を繰り返していた。佐々ヘッドコーチは「意識したかどうかというより、相手がテンポを上げたり、自然な流れで」と振り返った。
もちろん、今季の「売り」である3ポイントシュートも、チームで20本成功させた。104得点は今季チーム最多。3試合連続して出場選手全員得点と、シーズン終盤に攻撃力が上がって来ている。そこに「超速攻」が加われば、相手にとってはかなりの脅威となる。
比江島は「今季は攻撃をスピードアップして、アテンプト(シュート試投数)を増やしていくチーム方針だから」と言う。ただ、速攻をしかけて、ゴールにダッシュしても気づかれなかったり、周りが追いついてこない事もあり「僕的にはもっとパスが欲しい時がある」と笑った。
チームは14連勝。2019-20シーズンに記録したチーム最多の15連勝まであと1つだ。攻守ともに充実しているチーム状況ならば、記録更新の可能性は大いにある。【沢田啓太郎】


