男子はインターハイ4強の仙台大明成(宮城)が帝京長岡(新潟)に61-68で敗れた。主将・新井慶太(3年)が、23年に死去した名将・佐藤久夫前監督から指導を受けた最後の代として「日本一で恩返し」を掲げ臨むも、16強で散った。福島東稜は北陸学院(石川)に60ー84で敗れた。女子は一関学院(岩手)が52-64で八雲学園(東京)に敗れ、準々決勝で敗退。東北勢14校は姿を消した。

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前半を30-39で折り返し迎えた第3クオーター(Q)、新井は3点シュート2本とジャンプショットを着実に決めプレーで鼓舞。「我慢をしていれば必ず流れが来る。キャプテンとしてしっかり決めてやろうという思いだった」。終了間際も再び3点シュートを沈め51-51で最終第4Qへ。1ポゼッション差の競り合いを繰り広げたがリードを許し、敗戦を知らせる無念のブザーが鳴り響いた。「最後までやり切れなかったのが悔しい…」。涙をこらえきれず、チームメートにもたれかかった。

恩返しできなかった。八村塁(レイカーズ)らを育て、ウインターカップで6度、インターハイでも1度、同校を全国の頂点に導いた佐藤前監督の存在も大きく、新井は名門・仙台大明成の門をたたいた。しかし、入学前の23年1月にチームに合流した約5カ月後、佐藤前監督は天国に旅立った。その後は、OBであり前監督の遺志を引き継ぐ畠山俊樹監督(34)とともにチームを作り上げてきた。新井は「強い明成を取り戻すために、自分たちと必死になって考えてくれました」と感謝の思いを口にした。

名将に指導を受けた最後の代として「絶対に日本一で恩返ししようとチームメートと話してきたので、それをかなえることができなくて申し訳ない…」と目を赤くした。だが、逆境の場面でも「苦しい時こそ明るく」という佐藤前監督からの言葉が頭をよぎり、この日も声を出し続けた。「チームメートみんなが明るさを最後まで忘れずに、明成らしく戦えたと思います」。きっとその姿は天国にも届いたはずだ。

強い明成を取り戻して、再び頂点に立つ。その信念は次の世代へつなぐ。「苦しい時も、俊樹さん(監督)を信じて、泥くさく明成らしいプレーを続けていって欲しい」。新井は、エールとともに後輩たちに思いを託した。【高橋香奈】

◆テレビ放送・配信 女子決勝は28日正午からBS朝日で、男子決勝は29日午後1時からテレビ朝日系で、ともに生放送。ソフトバンクが提供する「バスケットLIVE」ではウインターカップの男女全118試合をライブ・見逃し配信。