すごい試合だった。藤沢選手が、最後に決めたダブルテークアウト。ショットとしては、石同士の距離も遠くないし、角度も狙いやすいものではあった。しかしプレッシャーのかかる最後の場面で、狙ったショットを決めきることは簡単ではありません。最後は本当によくやってくれた。

この日のデンマークはさえていた。日本はスルーやショートのミスがあり、苦しんでいた。ただ2点を追う第10エンド(E)はタイムアウトをとって、鈴木選手の2投目で、フリーズ(相手の石に石をくっつける)を選択。狙いに近いところに置いた。あそこから相手を苦しめる展開になった。最後まであきらめなければ、こういう逆転がある。

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第10Eで2点ビハインド。この試合は厳しいかも、と思った方も多いかもしれないが、選手は、みじんもそう思っていない。どこに自分たちの石が残るかを考えて、チャンスを作った。

第10Eを有利な後攻で迎えた場合、選手は3点差ならあきらめないもの。今大会は、どこと対戦してもデンマーク戦のような戦いが続く。その中でひとつ勝ち切れたことは選手のメンタル面でも、とても大きい。(元日本代表サード)