日本のロコ・ソラーレが大逆転勝利を飾った。1次リーグ第3戦でデンマークと対戦。2点を追う第10エンド(E)にスキップ藤沢五月(30)がラストショットで一挙3点を奪って8-7で勝った。

終始劣勢な展開が続くも、劇的な一投で2勝1敗と白星先行。18年平昌五輪銅に続く2大会連続メダルへ、勢いに乗る。

【市川美余】藤沢五月が最後にダブルテークアウト 勝ち切れたことは選手のメンタル面でも大きい>>

跳ねた、4人で抱き合って跳ね回った。吉田知が「誰も喜んでくれないから自分たちが喜んじゃった」と照れるほど、はしゃいだ。

5ー7で迎えた最終の第10E。後攻で投げる最後の石。藤沢が構えた。40メートル先の目標に、石は勢いよく音を立てて滑る。「ショットのイメージはすごくあった。大会始まる前もそのショットの練習をたくさん投げていた」。カツンと相手のNO・3を飛ばしてNO・1もはじき出し、投げた石はハウス中央にステイ。ダブルテークアウトで一挙3点。敗戦危機を歓喜に変えて、両手で大きく万歳した。

昨年9月も、同じように4人で抱き合って感情をあらわにした。五輪最終予選行きをかけた国内代表決定戦。3戦先勝で北京の道を開く戦いで、北海道銀行に2連敗も、そこから3連勝で試合の度に喜び合った。

進んだ最終予選でも厳しい戦いを勝ち抜き、北京にやってきた。「苦しい試合の中で勝つと言うことを何度も経験してきた」と力に変えた。そして、続けた。「北海道銀行さんだったり、いろいろなチームにも感謝したい試合だった」。

今大会はこの日まで3戦連続で石のセンサーが反応しないトラブルに見舞われている。規定のラインまでに石から手を放したかを確認するためだが、投げる前に反応しない場面がある。

選手にとっては、集中力を乱される一因。「気にはなります」とセカンド鈴木は言うが、「昨日の夜にみんなで話し合いました。審判が来るまでに時間があるので、そこも有効活用できるとポジティブにとらえるようにしました」と明かした。終盤の窮地でも経験を力に変えたように、マイナスを前向きに考える力もロコ・ソラーレの強さだ。

サード吉田知が「五輪で優勝した気持ちです!」と言うほど価値ある1勝。平昌銅を上回る快進撃に向けて、起点になりそうだ。【阿部健吾】

【カーリング】ロコ・ソラーレがデンマークに逆転勝利、通算2勝1敗/ライブ詳細