女子ショートプログラム(SP)を金メダル最有力の15歳、カミラ・ワリエワ(ROC)が断トツの1位で終えた。

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得点は90・18点。1月の欧州選手権で記録した90・45点の世界最高点に迫った。

女子では唯一の90点台の世界。得点の詳細を見ると、ジャンプだけではないすごさが分かる。

ジャンプは冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、3回転フリップ、後半のルッツートーループの3回転と両手を上げる難しい姿勢で加点を稼ぐ。それぞれ11・31点、7・42点、13・30点の合計32・03点も他選手を大きく引き離すが、より得点を押し上げるのはスピン、ステップになる。

3回のスピンでは、すべて最高難度のレベル4をそろえるが、出来栄え点(GOE)が目を見張る。9人のジャッジの評価で、2つのスピンは9人中8人が満点の「5」をつける。バレエに基礎を支えられた技術、際立つ柔軟性の中にも軸をしっかり持つ回転でも、存在感を放っている。伸びやかさと緩急自在なステップシークエンスでも9人中4人のジャッジが「5」をつける。スピン、ステップの合計は19・64点まで積みあげている。

芸術性を5項目(各10点満点)で評価する演技構成点はどうか。すべてで9点台を並べ、「演技」では4人、「音楽の解釈」では2人のジャッジが満点をつけている。

15日からの個人戦では、4回転を跳ぶフリーも含め、どれだけ得点を伸ばすのか注目だ。

◆カミラ・ワリエワ 2006年4月26日、ロシア・カザン生まれ。3歳になった09年に競技をはじめ、同国のノービス選手権で優勝。ジュニアのGPファイナルと世界選手権2冠もジュニア1年目の快挙だった。高校1年。趣味はダンスと絵画。身長はこの1年で5センチ伸びて160センチ。