北京オリンピック(五輪)フィギュアスケート男子の羽生結弦(27=ANA)がショートプログラム(SP)で8位と出遅れたことが、思わぬ形で波紋を広げた。得意のSPで4回転サルコーが1回転となった原因とされるリンク上の穴をつくった選手探しがSNSで拡散。ロシアメディア「スポーツ・エキスプレス」では「私たちのスケーターは羽生のファンから殺害の脅迫を受けている。そしてロシア人の授与式はキャンセルされました」との見出しで報じた。

同メディアによると、世界中にいる羽生の「熱狂的ファン」が、リンク上に穴を空けた選手が誰なのか“捜索”し、羽生の直前に滑走したアンドレイ・モザレフに特定したと報道。ショートプログラム終了後からモザレフのインスタグラムには批判の書き込みが殺到し、殺害めいた脅迫まであったとされる。その結果、数時間、モザレフのインスタグラムは閉鎖されたという。

また、同メディアは8日に予定されていたフィギュア団体のメダル授与式が急きょキャンセルとなった原因について「IOC(国際オリンピック委員会)プレスサービスは今日、ISU(国際スケート連盟)との法的な協議を必要とする状況が緊急に発生した」というコメントを掲載した。

 

◆訂正 この翻訳記事を12時25分に掲載しましたが、モザレフ選手のインスタグラムが閉鎖されたのは「数時間後」ではなく「数時間」でした。さらに、フィギュア団体のメダル授与式がキャンセルになった理由について「モザレフが脅迫されていたためではないかと報道していた」という翻訳は正確ではありませんでした。お詫びして一部訂正いたします。