スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、北京オリンピック(五輪)フィギュアスケート女子ROC(ロシア・オリンピック委員会)代表のカミラ・ワリエワ(15)が昨年末のドーピング検査で陽性反応を示していた問題に関し、出場可否の裁定を北京時間の午後2時(日本時間午後3時)ごろ下すと発表した。

翌15日に女子ショートプログラム(SP)が行われる。

CASは13日午後8時34分から北京臨時オフィスをベースにオンラインで公聴会を開き、以下の6者が出席した。

ワリエワ

国際オリンピック委員会(IOC)

世界ドーピング防止機構(WADA)

国際スケート連盟(ISU)

ロシア反ドーピング機関(RUSADA)

ROC

ヒアリングは日が変わった午前2時10分に終了し、現在はCAS内で審議しているという。

ワリエワに関しては今月11日、ドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)が陽性反応を明らかにして表面化。北京五輪代表選考試合の1つだったロシア選手権(サンクトペテルブルク)で12月25日に採取された検体から、持久力向上の効果があるとされる禁止薬物トリメタジジンが検出されたと発表した。

RUSADAは、団体戦終了翌日の2月8日に暫定資格停止処分を課したが、選手サイドが翌9日に異議を申し立て、同日夜に処分の解除が決定された。北京五輪参加は継続される見通しだったが、その後、決定を不服としてIOCやISU、WADAがCASに提訴していた。

ワリエワは団体戦でROCの金メダル獲得に貢献。SP、フリー、合計すべてのスコアで世界最高点を持つ個人戦でも金メダルの最有力候補で、出場可否が世界的な話題となっている。【木下淳】