ペアショートプログラム(SP)8位の三浦璃来(20)、木原龍一(29)組(木下グループ)が7位となり、日本勢初の入賞を飾った。フリー自己最高141・04点を記録し、合計も自己新の211・89点。92年アルベールビル大会で14位に入った井上怜奈、小山朋昭組を大きく上回った。日本初の団体戦銅メダルに貢献した「りくりゅう」が新たな歴史を刻んだ。地元中国の隋文静、韓聡組が合計239・88点の世界歴代最高で金メダルをつかんだ。
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氷に膝をつき、木原がこらえきれずに泣いた。三浦を抱き寄せ「心から楽しんで滑ることができた」とかみしめた。自己ベストを確認して万歳し、隣では三浦が何度も跳びはねていた。
悪夢を振り払った。SPは3回転トーループで三浦が2回転となるミス。9歳下の相棒は今にも泣きだしそうだった。別のパートナーと出場した過去2大会、木原はSP突破を逃した。「フリーを滑らせてくれてありがとう。全ミスでもいいから、とにかく楽しもう」と声をかけた。三浦の気持ちは切り替わり、回転不足ながら3連続ジャンプを着氷。スロー3回転ループが決まると会場が沸いた。
20歳でシングルからペアに転向して9年。リフトやスローが必要な種目で、60キロだった木原の体重は78キロに増えた。Sだった服のサイズはXL。初めは食が細く、強引な食事量で嘔吐(おうと)したこともあった。今季もシニアの日本ペアは2組。競技人口は数えるほどで19年夏にペアを組んだ三浦と「結果を出していない状態で『注目してくれ』とは言えない。結果を出すことがペアの未来につながる」と信じ続けてきた。
フリーは5位。だが目標の5位に届かない、総合7位を悔しかった。初の五輪を三浦は「次につながるいい経験をした」と振り返り、隣の木原が言い切った。「メダル争いに食い込んでいきたい。僕たちはまだまだ走り続ける。4年後も、8年後も、目指します」。
「りくりゅう」の夢は大きく膨らんだ。【松本航】




