国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長(45=ブラジル)が、世界各国のリーダーに「分断なく1つになった」パラリンピアンたちの行動にならうことを望み、平和への希望を訴えた。

開幕前の2月24日、ロシア軍がウクライナ侵攻を開始。ロシアと支援国ベラルーシを開会式前日の3日に一転排除した激動の大会を終え、閉幕のあいさつで「異なる国々、考え方など違いが見られたが、分断されることはなかった。1つになれた。ともに共通の未来へ向かうために」と選手に感謝した。

そして「1つになることで希望が生まれます。ともに生きることへの希望、調和への希望、そして大事なのは平和への希望です。希望は、誰しもが抱くものです。人は、対話ができる世界に生きることを望んでいます。我々のパラリンピック・ムーブメントは、世界のリーダーたちが、誇り高きパラリンピアンたちの行動にならうことを望んでいます」と訴えた。

4日の開会式では、ロシアのウクライナ侵攻を念頭に「ピース(平和を)!」と声を張り上げる異例のスピーチが話題になった。

この日は前半で大会を総括。18年平昌大会、20年東京大会に続く「3大会連続のアジア開催をへて、共生は今までにないほど意味を持ち、必要とされるようになりました」と述べた。

中盤はアスリートに対して

「最も困難な時に、皆さんのパフォーマンスはまぶしく輝きました。歴史に頼るのではなく、歴史を作られたのです」

「氷と雪の上で、魔法のような瞬間と、じっくりかみしめたい瞬間を演出してくれました。逆境の中で多様性の力強さを示してくれました」

「誇り高きパラリンピアンとして、ワクワクさせ、驚かせ、感動させてくれました。決意と勇気、技を見せつけてくれました。苦境から立ち上がる強さとプレーを、新たなレベルに引き上げてくれました。激しく競いながらフェアプレーに徹しました」

「その才能によって勝利を得たのです。希望の光として、平和を掲げる者として、皆さんの行動は言葉よりもずっと大きく響きました」

として、最後は「謝謝(シェイシェイ」「Thank you」「ムイント・オブリガード」と中国語、英語、母国のポルトガル語で「ありがとう」と叫び、締めくくった。【木下淳】