スピードスケートの10年バンクーバー五輪男子500メートル銀メダリストで、日本ショートトラックの再建を託された長島圭一郎ヘッドコーチ(HC、39)が、指導者として臨んだ初めての五輪を総括した。

女子1500メートルでは菊池純礼(26=富士急)が8位入賞を果たしたが、24年ぶりのメダルを目指した男子5000メートルリレーは8チーム中8位。長島HCの主な一問一答は以下の通り。

-結果を振り返って

長島HC 個人に関していえば女子はB決勝(8~14位決定戦)まで進めた。良かったかなと思います。男子に関しては(五輪が)初めての選手が3人いて、うまくいろいろやってあげたかった。なかなか戦い方が難しかった。そこは僕の持っていき方というか、力不足だった。リレーはランキング通りの結果だった。5000メートルリレーはまだまだいけたと思う。僕もずっと映像でオリンピックを見ていたけれど『ここまでいろいろとやられるんだ』というのは分からなかった。僕の力不足。もうちょっとレフリングがこうなるっていうのを、しっかりやっていればと思います

-想定外が多かった

長島HC これからの選手が多いので『けがなく終わってくれて良かった』というのと、その中で選手もよく戦ってくれた。蹴り上げられたり、ワンピース破けていた選手もいて、その中で戦ってくれたなと思います。決勝にはいけなかったけれど、その辺がこうなるっていうのを、もっと僕が想定して臨まなければいけなかったのかなと思っています

-代表選考からリレーを重視。五輪に入ってから難しい部分があったのか

長島HC レフェリーも今回やってくれていた人を選考会から呼んでいた。そのデータも取りながら、国内戦とW杯を戦ったけれど、全く別物だった。そこは僕の純粋な部分が出てしまったのかもしれないです

-海外の選手は

長島HC レベルは高いです。メダルを取る選手は取っていますし、やっぱり地力がある選手が勝っている。そこは地力をつければいいだけなんで、そこはやらないといけない。そもそもギリギリの戦いだったので、ギリギリのせめぎ合いを、もうちょっと想定していかないといけなかったという反省点があります

-ここからの4年は何が課題か

長島HC 僕の周りに優秀なスタッフがいたので、さらにそのスキル的な部分をやらないといけない。能力的には全然戦えると思うので、そこをやっていかないといけない。そこがつけば多少戦えると思う。あとは『オリンピックになった時は別物だ』ということ。女子に関して言えば今回あまり(他と)離れるレースがなかった。レース(の勝負)に参加することができたので、そこは成長した。今回は純礼がB決勝まで行った。良かった。(手放しに)良くはないけれど

-今後については

長島HC 今後に関しては僕が(HCを)やるか分からないので、今後決まった人に、決めてもらえればいいと思います

-自身の意思は

長島HC 僕が決められることじゃないので、どうなんですかね。僕に決まれば考えますし、ちょっと今終わったばかりなので。強化部長も含めて考えるんじゃないですかね

-98年長野五輪以来のメダルには届かなかった

長島HC メダルを取らせてあげたかったけれど、やはりちょっと、まだまだレベルの差が圧倒的にある。リレーはまだ(26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪で)ワンチャンスあるかなとは思っています