五輪3度目出場となった高梨沙羅(25=クラレ)は224・1点で惜しくも4位に終わった。18年平昌五輪銅メダルに続く表彰台にあと1歩届かなかった要因は何か。

日本女子チームの横川朝治ヘッドコーチは「風の運がなかったかなあ」と2本のジャンプを振り返った。

顕著だったのは1回目。上位5人の中で最初に競技に臨んだが、風速は0・5メートル。同コーチは「向かい風なんですが、横を向いたり、正面を向いたりというのは繰り返しで、飛んでいくとき、通過していくときに横を向いていたかなという感じはありますね」。その後に続いた4人が高梨より風速も大きく、中3人は1・0メートル以上の向かい風を受けていた。風の運不運はつきものとはいえ、「後ろの選手の方が風の吹きは良かった。同じ風なら高梨が一番飛んでいるかな」と悔しさを込めた。

今大会は高梨自身も好感触の調整が進んだ。ただ、同コーチは「調整がうまくいっている分だけ体が速く動けるんですね。2本とも少し(飛び出しが)速かったかな」とマイナス要因も生んでしまったと見立てる。

わずかなミスがありながら、表彰台に迫っていた事実に、風の不運。わずかに条件が違えば、平昌五輪以上の結果も見えていたかもしれない。

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