17歳の村瀬心椛(ここも、ムラサキスポーツ)が、日本人トップの2位で15日の決勝へ進んだ。前回平昌五輪4位の岩渕麗楽(バートン)は3位、平昌五輪8位の鬼塚雅(星野リゾート)も5位で上位12人に入り、勝ち上がった。

3回滑走し、得点の高い2本の合計で争う。村瀬は1本目に横3回転する「バックサイド1080」をしっかり決め、いきなり85・00点の高得点で2位につけた。2本目は難度を落として横2回転半で72・75点。3本目は「フロントサイト1080」を鮮やかに決め、86・00点で合計171・00点で2位に浮上した。

村瀬は「3本とも立てることができ、練習してきたことを出し切ることができてうれしい。(決勝は)周りもレベルを上げてくるので、練習してきた最高難度の技を出して表彰台に上がりたい」。この日は1080までだったところを、横に3回転半する大技「ダブルコーク1260」まで上げて勝負することを誓った。

スロープスタイルでは、5日の予選を2位通過。メダル獲得の期待が高まったが、翌日の決勝では3本とも最後のジャンプで3回転半の着地に失敗し、10位にとどまった。「この悔しさをばねにしたい。ビッグエアもあるので、気を引き締めて次につなげたい」と気持ちを切り替え、巻き返しを誓っている。

岐阜第一高校で学ぶ高校2年生で、同校スキー部の先輩には、約1週間前にフリースターイルスキー男子モーグルで銅メダルを獲得した堀島行真がいる。その先輩に続いて村瀬もメダルを獲得すれば、17歳3か月で、冬季五輪の女子選手としては10年バンクーバー五輪フィギュアスケート女子銀メダルの浅田真央(当時19歳5カ月)の最年少メダリスト記録を更新する。

18年5月にノルウェー・オスロで開催された冬季Xゲームを史上最年少の13歳で制し、世界中の注目を浴びた日本が誇る若きエース。その準備は整った。【奥岡幹浩】