5種目に挑戦する高木美帆(27=日体大職)は、最初の種目となった3000メートルで6位だった。記録は4分1秒77だった。期待された夢の出場5種目全メダルはならなかった。金メダルはイレーネ・スハウテン(オランダ)で3分56秒93の五輪新記録。日本の佐藤綾乃(ANA)は9位だった。

1週400メートルのリンクを7周半するレース。高木は、2018年平昌五輪で同種目金メダルのカレイン・アクテレークテ(オランダ)との3組に登場した。「攻めていく」。言葉通りスタートから飛び出した。周回ラップは最初の31秒24を皮切りに31秒台をキープし、表彰台の目安とする4分切りを狙った。終盤は足が鈍り、ラスト1周は32秒91かかったが、それでも前回覇者に0秒44先着した。暫定首位で残り7組の結果を待ったが、その後の8、9、10組目の選手に上回られ、表彰台には届かなかった。

「滑りの最初ということで難しいところがあったけど、1周目のラップが思ったよりもタイムがかかった。自分の中でも悔いの残る出だしになったのかな」と振り返った。

短距離から長距離まで、異なる距離を高いレベルでこなせる「オールラウンダー」。今大会はこの日の3000メートルのほか、500メートル、1000メートル、1500メートルの個人4種目に団体パシュート(追い抜き)に出場する。5種目出場は2006年トリノ五輪の田畑真紀(1000メートル、1500メートル、3000メートル、5000メートルの個人4種目+団体追い抜き)以来。500メートルを含めた5種目は、1992年アルベールビル五輪の橋本聖子以来となる。

3度目の五輪出場となった高木は、18年平昌(ピョンチャン)五輪で団体追い抜きが金、1500メートルが銀、1000メートルが銅で冬季五輪の日本勢では1大会最多タイのメダルを獲得している。次戦は7日の1500メートル。前回は0・2秒差で逃した金メダルの獲得に期待がかかる。