<宇都宮女子校3年・競泳 岸愛弓さん(17)>

 5年後は22歳。競泳選手として年齢的に最も良い時期です。体は155センチと小さく、中学3年まで腕立て伏せが出来ませんでした(笑い)。高校入学後、肉体改造のために筋力トレーニングや陸上トレーニングを取り入れ、そのおかげもあり、昨年のインターハイは100メートル平泳ぎで自己ベストの1分8秒96で優勝できました。ただ、同世代のライバルも多く、年下の今井月(るな)さん(14=本巣SS)は1分7秒台を出しているので、それらの選手に勝たないと五輪出場はないと思います。

 東京五輪出場は、人生で一番の「大きな目標」です。今は遠い舞台と思っていますが、運が良いことに、近い環境に五輪選手がいるので、5年後は「私も」という強い思いになります。

 2人の選手に影響を受けました。1人は同じ栃木県小山市出身の萩野公介さん(20=東洋大)です。12年ロンドン五輪で萩野さんが、400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得したレースを萩野さんの母校、羽川西小のパブリックビューイングで観戦しました。午前3時ごろ、声がかれるぐらい応援しました。萩野さんとはロンドン五輪の約1カ月後の国体で一緒になりました。私が栃木県の選手として、最後のレースでプレッシャーに押しつぶされそうだった時、萩野さんが「大丈夫」と背中を押してくれて、緊張が和らぎました。東京五輪は、萩野さんと「ダブル小山コンビ」で出場したいです。

 もう1人は、高校OGでなでしこジャパンの安藤梢さん(33=フランクフルト)です。6月のW杯カナダ大会もテレビ観戦しましたが、なでしこの一体感は日本人にパワーや勇気を与えてくれているようで、幸せな気持ちになれました。安藤さんは、けがで1試合しか出場出来ませんでしたが、宇都宮女子という進学校の中でスポーツの国際舞台で活躍している選手がいると励みになります。

 東京五輪出場という夢がかなったら、教員になって五輪選手を育てたいです。大きいことを言うのは好きではないですが、そんな人生を歩みたいです。(2015年7月29日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。