<テレビ朝日アナウンサー 清水俊輔(35)>

 アナウンサーを目指した理由の1つが、五輪の実況をしたいからでした。東京五輪、ぜひ実況したいです。

 もともとスポーツを見るのが好きな子供で、気が付いたら五輪大好きでした。小学生のころは、学校から帰って1度寝て、夜中の中継を見ていました。五輪マニアみたいなところはあります。

 五輪の魅力は、アスリートが4年に1回のワンチャンスを目指し、そのワンチャンスにかけて毎日を過ごしてきた集大成の場所、というところにあると思います。うまくいく選手もいれば、力を出せない選手もいる。どんな姿にも胸打たれます。

 記憶があるのはソウル五輪からです。印象的な実況はいろいろあります。最近では、アテネ五輪水泳100メートルで北島康介選手が金メダルを取った時、先輩の森下桂吉アナウンサーが言った「やっぱり北島強かった」です。入社2年目でしたが、そのシーンと実況は衝撃的でした。

 僕も印象的なフレーズを言いたいという気持ちはあります。なるべく普段使う言葉の組み合わせでインパクトを与えたいですね。作りすぎた言葉は見てる人が冷めてしまいますし、自分も恥ずかしくなってしまいますね。

 野球、フィギュアスケート、水泳など、いろいろなスポーツの実況をしますが、言葉のチョイスが過剰にならないよう、叫びすぎないよう気を付けながら、応援したい気持ちでしゃべります。野球の時、立ち上がってガッツポーズしながら、しゃべっていることもあります。ただ、興奮しすぎても視聴者は冷めますし、抑えすぎると、見ている方は熱くなれない。難しいですね。

 現在「TOKYO応援宣言」(土曜深夜0時15分)を担当しています。10代の若いアスリートが毎日頑張っている姿はとても刺激になりますし、より一層、東京五輪を意識するようになりました。フェンシング、レスリングなど、今まで実況したことがない種目をもっと勉強していきたいです。とにかくたくさん観戦することも大事だと思っています。

 野球とソフトボールが正式種目になるかどうかも注目しています。WBC、プレミア12の中継もしてきましたから、ぜひ野球の実況はしたいです。40歳で迎える東京五輪、最高の実況ができるよう頑張ります。


(2016年2月3日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。