<リオ五輪新体操個人総合 皆川 夏穂(19=イオン)>

 五輪出場という小学校からの夢がかない、東京五輪では「メダル獲得」という新たな夢に変わりました。実は、リオでは演技するまで五輪の実感が湧きませんでした。出場選手はW杯のメンバーとほとんど変わらず、特別な舞台でもやり切れました。きっと約4年間のロシア生活で、メンタルが強くなっていると思います。

 4歳からイオン新体操スクールで本格的に競技を始めました。中学卒業の13年3月に日本体操協会の強化方針の一環として、新体操王国のロシアへ留学。ロシア代表の練習場で専属コーチからマンツーマン指導を1日8時間受けています。アパートと練習場を往復する新体操漬けの生活です。コーチとは徐々にロシア語でやりとりができるようになりました。リオ五輪個人総合金メダルのマルガリタ・マムン(ロシア)らとも一緒にトレーニングして、演技だけでなく、練習への姿勢など得るものが多々あります。ロシア選手は、私と同じ身長170センチ前後で、小顔で足が真っすぐの美脚が多いです。新体操は毎日が体重測定なんです。体重が重いと足などへの負担がかかり、見た目も美しくない。体重の少しの増減によって、ジャンプの感覚も変わってくるため、常に同じ体形を保てるようにしています。

 リオ大会では予選16位で、上位10人による決勝進出を逃しました。決勝の8月20日は19歳の誕生日でした。誕生日を決勝で迎えられず悔しい思いをしましたが、リオを経験できたことは非常に大きいです。東京五輪では23歳。新体操ではベテランで、もしかしたら最後になるかもしれない。完全燃焼してメダルを取るためにも、それまでに国際大会でメダルが狙える位置にいかないといけない。自国開催でプレッシャーもありますが、自分を信じて、東京五輪までの時間を楽しみたいです。

(2017年1月4日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。