<フェンシング女子フルーレ 東姉妹>

姉 東莉央(あずま・りお、18=和歌山北高)、妹と戦うのは嫌です

妹 東晟良(あずま・せら、17=和歌山北高)、姉に限らず負けたくない


 莉央 小さい頃から学習塾、空手、とさまざまな習い事をしていたのですが、どれも長く続かなくて…。フェンシングだけでした。勝って成績が出るからうれしい。その繰り返しで、今まで続けてこられているのだと思います。五輪出場をちゃんと意識し始めたのは東京五輪開催が決まった13年ごろです。08年北京、12年ロンドン五輪はテレビで見ていましたが、すごいなぁと思うぐらいで自分が出るとは思ってもいませんでした。一番心に残っているのは、ロンドンのフルーレ団体で太田(雄貴)さんが残り数秒でドイツに逆転したところ。あそこであきらめないのがすごいと思いました。

 はっきりしたプランはありませんが、これからシニアでもっと成績を残し、少しでも多くのタイトルを取って、東京へつなげていきたいです。妹はフットワークがうまく、私はどちらかというと技のタイプ。全然違う。負けたらアカンと変に意識してしまうので、出来れば妹と戦うのは嫌です…。

 晟良 私は姉に限らず、誰にも負けたくないです。私にとって、フェンシングは生活。自分は勉強できないし、球技も他の運動も苦手だし、フェンシングしかないんです。だから競技を始めてすぐに五輪に行きたいな、と思っていました。でも今ははっきりとした目標です。リオデジャネイロ五輪では、同じ和歌山出身で女子フルーレの西岡詩穂さんの試合(1、2回戦)を見ました。同じ高校の、こんなに近い人が、あんなところで戦ってるんだ、とうらやましかった。あらためて自分も五輪に出たいと思いました。

 今年は、世界ジュニア選手権でベスト8に入り、来年メダルを必ず取るつもりでいます。そして東京五輪は個人で金メダルを取りたい。団体戦も姉と一緒に2人で出たいです。五輪に出るには、海外の試合で成績を積んで、ランキングを上げていかないといけない。少しでも多くのタイトルを取り、少しでも上にいけるよう頑張っていきたいです。

(2017年2月15日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。