<ボートレーサー 佐藤享子(29)>

 0歳のころから遊びで、プールに連れていってもらっていました。水が好きだったのもあって、母親が水泳をやらせようとして、4歳から始めました。最初は嫌々で電車の中で泣いていましたね(笑い)。得意なのは自由形の短距離。自分は完全なスプリンターなので、50メートルが得意です。ベストタイムは26秒2です。コンマ01を争う世界なので、スタートの反応から浮き上がりまで、全部が失敗できなかったです。ゴールすると乳酸がたまって、体が動かなかったですね。

 進学した東海大はベスト率100%、みんなで練習して頑張ろうというカラーなので、自分もここで泳ぎたいと思いました。大学2年の時に、1個下で金藤(理恵)さんが入ってきました。彼女は174センチあって大きいし、楽そうに泳ぐんですよ。疲れてなさそうだし、いいなぁと思っていました。こっちは腕が上がらなくなっているのに。いい意味で化け物だなと(笑い)。リオ五輪は自宅で見ていました。出場するだけでもすごいのに、彼女がゴールした時は跳び上がりそうになりました。その後に、お会いして金メダルを首にかけさせてもらいました。金メダルは重たかったですね。

 今はボートレーサーとして、プレッシャーに強いかと聞かれたら、自信を持って「はい」とは言えないけど、練習の大切さだったり、諦めない心とかは水泳から学びました。勝負時に勝てて、「この世界で生きています」と言えるレーサーになりたい。

 東京五輪は萩野公介君やライバルの瀬戸大也君とかもそうだし、入江陵介君も同じ大阪なので応援しています。水泳以外ではラグビーにも注目しています。東海大はラグビーも強くて、リーチ・マイケルとか木津武士君とか一緒にトレーニングをしていたので、頑張ってほしいです。スポーツは何でも好きなので、新しく追加された競技とかも興味がありますね。


(2017年6月7日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。