<全日本野球協会(BFJ)理事 山田博子(45)>

 今はエキサイティングな気持ちとチャレンジングな気持ちがミックスしています。日本語のチャレンジはすごくワクワクした感じですけど、英語では「問題に向き合う」という意味もあって、どっちも含めてます。2020年に向けて、多くの課題に向き合わないといけない。

 全日本野球協会で、広瀬(史乃)さんと一緒に初めての女性理事に選んでいただきました。一番の課題は人材の国際化だと思っています。大会を開催するには、審判、TC(技術委員)、スコアラー(記録員)など多くの人材が必要です。TCは審判が判断しない、例えば雨で中断になった時の状況判断(何分後に試合再開するか)などを決める仕事で、TC経験があるけど語学が不安という人には語学レッスンとか、語学ができて野球経験がある人に対しては国際TCセミナーなど、積極的に開いていきたいです。

 私が野球界に携わるようになったのは、04年に女子野球の国際大会でアメリカチームの通訳をやったことがきっかけです。それからプレミア12など、交流大会を含めて30大会ぐらいの国際試合を経験しました。日本人は完璧に準備してマニュアルもすごくしっかりしているけど、海外の方は、そこを一番に評価するわけじゃないんです。トラブルがあった時に、どう対応したかが何よりも評価される。現場力がどれだけ大事か、スタッフも学ばなくてはいけないと思います。

 高校生の時はチアリーダーもやって、もともと応援するのが大好き。初めて女子野球をボランティアでお手伝いした時、お金も、場所も、知名度もないのに、みんなすごく楽しそうにやるんです。それに感銘を受けて。トップチームの選手も少年野球も、みんな根本は一緒。野球が好きなんだなって、すごく感じます。それが私には魅力です。

 日本高野連にも初の女性理事が2人誕生しました。広瀬さんも一緒に、機会があったら野球界の女性理事だけで女子会をやってみたい。すごく楽しみです。

(2017年6月28日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。