<大学野球日本代表 生田勉監督(51)>

 柳ケ浦(大分)高校3年生の時にロス五輪があり、(公開競技だった)野球は松永怜一さんが監督で金メダルを獲得されました。メンバーは社会人と大学生で構成されていて、明大生だった広沢(克己)さんが、バコーンとすごい本塁打を打ったことを鮮明に覚えています。五輪はすごく夢があるなと思っていました。

 あれからご縁があり、松永先生(元監督)にかわいがっていただいていますが、当時の広沢さんに対する指導についてお話をうかがい感動しました。あの時、調子の悪かった広沢さんの打撃フォーム改造に着手しようと決めた松永先生は、明大の島岡吉郎監督に「打撃フォームをいじっていいですか」と、わざわざ国際電話をかけたそうです。

 現場の監督の許可を得て初めて、広沢さんのフォームに手を入れ、あの活躍があった。私は過去に2度大学日本代表のコーチに携わり、今年から代表監督を務めます。よその大学の選手を預かる上での配慮、選手のケアと彼らのプライドを守ることは大切だと改めて思いました。

 今年の大学日本代表は、7月に米国で日米大学選手権を戦った後、オランダでハーレムベースボールウイークに挑みます。長丁場の遠征になるので、精神的に強い選手が必要。そして、過去の経験から、機動力に加え、山川(穂高=西武)や吉田(正尚=オリックス)のように、小柄でも米国の160キロ投手に対して小力でビュッと打てる選手がいたらいいなと思います。

 大学野球では今、野球人口の底辺拡大について考えています。例えば、各大学から半径3キロ以内の小中学生を招いて野球に触れる機会を持ってもらう。学生の使わなくなった道具を貸与し、リーグ戦の最中はグラウンドも開放できます。まず、親御さんが野球にチャンネルを合わせてくれるような機会を作りたいです。

 そのためにも、大学代表は勝つ必要がある。19年の日米野球は日本開催です。球場に足を運んでもらうためにも、今年の日米野球と(大学代表が参加するようになってから)まだ優勝していないハーレムを勝ちたい。優勝して弾みをつけ「東京五輪、お願いします ! 」とトップチームに良いリレーをしたいです。

(2018年3月14日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。