現在、サッカー女子アジア杯の取材、実況のためにヨルダンに出張中です。なでしこジャパンが8大会連続となるW杯出場を決めてくれました。普段は「やべっちFC」(日曜深夜0時5分)で進行キャスターを務めています。

平昌五輪には民放とNHKが共同制作するジャパンコンソーシアムの一員として行きました。テレビ朝日からの実況アナウンサーは私だけだったので「テレビ朝日のスポーツアナウンサーはしっかりしているんだぞ」という心がけで臨みました。カーリング女子の銅メダルと、スピードスケート女子1500メートルの高木美帆選手(23)の銀メダル獲得を実況しました。素晴らしい瞬間に巡り合うことができて幸運でした。

銅メダル獲得の時は、相手の選手が最後の1投を投げる前に負けを半分以上覚悟していました。何とか延長をと思っていたので、勝った瞬間は、ただただ驚き、すごく感動しました。アナウンサーなので実況やインタビューの時は、できるだけ心が波立たないようにと思っているんですが、今回は純粋に心を揺り動かされました。

カーリングで、相手の勝利を認める「コンシード」という用語は、ギブアップの方が意味が分かりやすいという意見もあります。だから「相手の勝利を認めるコンシード」とか分かりやすく表現しました。スポーツを伝える側としては、その競技が持つ原点や、プレーする選手の本当の思いが届くようにというのが基本。サッカーの「アディショナルタイム」も10年くらい前から「いわゆるロスタイムのアディショナルタイム」と実況して定着させてきました。

今まで、冬季五輪はバンクーバー、ソチに続く3大会目、夏季はロンドン、リオの2大会を経験しています。次の東京五輪は43歳になります。決まった時は「スポーツアナウンサーとして一番いい年代だな」と思いました。だからそこを1番の目標にしています。個人的にはマラソンに注目しています。暑い中で朝の早い時間のスタートになると思うんですが、若い選手に期待します。去年12月の福岡国際マラソン3位の大迫傑選手(26)とか、今年2月の東京マラソンで日本記録を更新して1億円を獲得した設楽悠太選手(26)に期待しています。東京五輪でマラソン実況ができたらいいですね。

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