昨年の世界選手権で銀メダルを取りましたが、それでも2年後の東京五輪まで時間がないと感じています。今季は個人でなかなか2回戦以上に進めませんでした。

ただ、20年の目標である個人と団体両方のメダルは譲れません。個人では、僕自身の世界の中での実力があらためて分かったので、チャレンジ精神でいくだけ。団体でも日本チームみんなでさらに底上げしていきたいです。

現在日本協会の会長を務める太田雄貴さんに大きな影響を受けてきました。太田さんが北京五輪男子フルーレ個人の銀メダルを獲得した時、僕は10歳。フェンシングを始めて5年ぐらいの時でした。まず、マイナー競技であるフェンシングがテレビに映ったこと自体に驚いたことを覚えています。

五輪を目指そうと思ったのも、小学校3年生のときに、京都で行われたイベントで太田さんと剣を交える機会があったからです。その時に、太田さんは子ども相手に手を抜かずにちゃんと試合をしてくれました。大人の人がフェンシングをやったらこんなに速いんだと感じさせてもらい、五輪に出場することのすごさを実感しました。

僕は長野県箕輪町の出身ですが、中2から上京し、JOCのエリートアカデミーに入りました。そこでも一緒に練習していた現役バリバリの太田さんに多くのことを学びました。太田さんが僕たちにいつも言っていたのは「自分は不器用。そんな俺でも練習して勝てた。どんなに不器用でも頑張れ」。努力して成功するかは分からないけど、だいたい成功した人は努力している。そのことを肝に銘じています。

五輪本番で応援を味方につけ、勝てる雰囲気をつくるのも大事だと思っています。昨年から選手発信のファンイベントを始めました。少しずつですが、応援してくれる方が増え、距離もぐっと近くなっているのを実感しています。結果を残すのはもちろんですが、引き続きツイッターなどSNSでも情報を発信し、少しでも多くの方に応援してもらえるよう努めていきたいです。

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