競技日程が発表されたことで試合までのスケジュールを立てられるし、より鮮明にオリンピックで戦う自分の姿が思い浮かぶようになりました。男子エペは個人が7月26日、団体が31日に行われます。五輪開幕前の7月15日には32度目の誕生日。名前には「和」が入っているので、令和に親近感を感じながら、新元号で迎えるオリンピックで結果を出したいです。

合言葉は「エペジーーン」。もともとは僕らエペ種目の選手を「エペ陣」と呼んでいたのをもじって、3年前ぐらいから使っている言葉です。「ジーン」ではなく「ジーーン」なのは「周りの人を“ジーーン”と感動させるプレーをしたい」という理由からです。3月のW杯では団体で初優勝を達成。これまで個人でW杯を3勝しましたが、比べものにならないぐらい団体で優勝した時の喜びは大きかったです。

また五輪初出場だったリオ五輪では、応援の力をものすごく感じました。同時に、応援してもらえる選手になるというのも強くなる要因の1つだと思いました。自国開催の東京五輪では、より注目度が大きくなるはずです。その応援を力に変えない手はありません。個人ではもちろん、団体でのメダル獲得の気持ちもより一層強くなっています。

先ほども言いましたが、32歳で東京五輪を迎えます。これこそ日本のフェンシング界にとって大事なことです。フェンシングは長く続けられる競技です。リオ五輪ではハンガリー代表のゲザ・イムレという41歳のおっちゃんが、エペ個人で決勝戦に進出しましたし、そういう国って強いんですよ。日本もそうならないといけない。自分はあと10年は日本のトップでやっていきたいし、それが日本のフェンシング界に厚みを出すことにもなると思っています。まだまだ自分は若手、中堅だと思いながらプレーしています。

東京五輪まで残り1年となり、今から新しいチャレンジをするのは難しいです。それよりも自分の強みの精度を研ぎ澄ませていくことが大事。自分はゲームの流れをつかむのが得意です。競技は15本先取で1セット3分を3セット。試合の流れを見極めるのが重要なので、さらに磨きをかけて東京五輪を迎えたいと思います。

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