20年東京五輪は、まずたくさんの人に見てもらえる注目度の高いレースにしたいです。大きな声援は僕たち選手にとって、すごく追い風になります。会場の新国立競技場が6万8000人の満員で埋まって欲しいですね。それを実現するためにも、僕たちは話題を作り続ける必要があります。

自分の走りで言えば、個人でファイナルに出ること、競技人生をかけられる使命です。男子400メートルリレーは、現在の日本チームも力はあると思いますが、もっともっと個人、バトンのレベルを上げていく。37秒前半は出るという状況で東京五輪を迎え、結果を出すことができれば、最高だと思います。

東京五輪が決まった時は大学3年生でした。その時の自分にとって、28歳の2020年は遠い未来でした。それが、もうすぐ27歳ですから早いですね。まだ世界大会のファイナル進出、9秒台という自分の目標は達成できていません。頑張らないといけないですね。

16年リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーの後はみんなでグラウンドに寝転びました。表彰台を目標にしてきて、メダルの色も銀。1つの達成感はありました。形に残したかったんでしょうね。ですが、実感は日本へ帰ってきてから、より大きくなりました。身近なところで言えば、今でも「銀メダルを見せて」と言われます。イベントなどでも、銀メダリストの山県と紹介されることも多いです。以前より、陸上に注目が集まっているなということもすごく感じます。

オリンピックは僕たち選手からすれば、その時の課題をクリアしながら、ベストを尽くす。過程の中で、やることは変わりません。ただ、周囲からの注目、会場の雰囲気の違いは、過去2回の大会で感じました。だからこそ、常に自分の走りを分かっておく必要があると思います。また、本番のいろんな状況を想定し、日頃から準備をしておくことが大切だと思います。そのイメージが出来ていなかったら、心も体も浮ついてしまいます。東京五輪は、全力で、すべてを出し尽くします。

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