東京オリンピック(五輪)の目標は、女子200メートル個人メドレーで日本新記録を出して、メダルを獲得することです。個人種目は200個人メドレーに集中して、やっていきます。最近は海外の選手とレースをしても、スタートで離されることはなくなってきました。海外勢よりも前に出られることもあります。ただターンで差を縮められたり、離されることがある。その部分が今後の課題です。ウエートトレーニングを含めて、しっかり改善できるようにしたい。あとは個人メドレーの最後の種目である自由形でバテると、メダル獲得は達成できない。どんな時でも、自由形のラスト50メートルを30秒台前半で戻る。そんな体力も必要だと思っています。

今年の夏は日本代表として、世界選手権韓国大会に初出場しました。可能な限りすべての種目に出ました。200メートル個人メドレー、100メートル自由形、50メートル自由形、400メートルリレー、400メートルメドレーリレー、混合400メートルリレー、混合400メートルメドレーリレーと7種目を泳いだ。大会第1日は400メートルリレーと個人種目の200メートル個人メドレーで4本のレースに出ました。国内大会なら予選からすべて全力で泳ぐことはないですが、世界選手権は違います。次の日に疲労が出たことは、自分の甘さだったと思う。今後は予選で力を抜いたりせずに、その日の午前中にできる最大のパフォーマンスをしたい。タフさも必要になってきます。

東京五輪の午前決勝に不安は感じていません。他の選手も同じ条件だし、いつも朝練している時間帯。日本人は時差がないので、自国開催はいい面があると思っています。

200メートル個人メドレーには世界記録保持者ホッスー選手(ハンガリー)がいます。絶対的に強いとは思う。前半から逃げる、後半から追い上げると、いろんな引き出しがある。予選から速いタイムを出して、他の選手にプレッシャーをかけてくる。ただそこに惑わされずに、自分のレースパターンをしっかりと実行することが大切だと思います。

五輪といえば、08年北京の北島康介さん(平泳ぎ五輪2大会連続2冠)が印象に残っています。「何も言えねえ」。水泳を始めていて、テレビで見てめちゃくちゃ格好いいなと思いました。私の周りで東京五輪の競泳チケットが当たった人はいません。家族も当たりませんでした。それぐらい、人気の種目なのかなと思います。その期待に応えたいと思っています。

五輪は夢の舞台ではあります。ずっと水泳を続けてきて、そこで泳げることはすごいこと。最近のラグビーワールドカップ(W杯)を見ても、4年に1度という舞台が貴重であることを感じます。期待に応えるためには、いつも通りやることが選手にとって重要だと考えています。(276人目)