東京オリンピック(五輪)では男子200メートル自由形で金メダルを狙っていきたい。金メダルをとって、指導を受けている鈴木陽二コーチにメダルをかけることが、東京五輪での目標です。

昨夏の世界選手権では200メートル自由形で銀メダルをとりました。日本新記録(1分45秒22)も出したけど、鈴木コーチからは「1番じゃないよね、1分44秒台が必要だよね」と言われました。鈴木コーチは、過去にいろいろな方(88年ソウル五輪男子100メートル背泳ぎ鈴木大地ら)を指導されているので、常に上を見ています。金メダルをとらないと褒められないと思っています。

個人種目だけではなく、400メートルリレー、800メートルリレーでもメダルを狙っていきたい。燃え上がるようなレースをしたいし、それを楽しみたい。決勝に残っても「メダルは絶対無理だよね」という位置では楽しくない。そのためにメンバー4人が1つの目標を持たないといけない。僕自身も今のままで満足せずにもっともっと速くなりたいし、それを願っています。

水泳は5歳から始めました。小学3年か4年のころかな。練習中に当時のコーチから「カツオ」と呼ばれるようになりました。最初は自分のことかどうか、分かりませんでした。でも今では本名の「かつひろ」よりも「カツオ」と呼ばれるほうがしっくりくる。今は「かつひろ」と呼ばれても振り向けないかもしれない。「カツオのように速く泳ぐ」という意味もあります。

初めて日本代表に入ったのは17年世界選手権ブダペスト大会でした。800メートルリレーのメンバーで入って、個人種目の200メートル自由形は予選落ち。決勝をスタンドから見て「ここに立たなきゃダメだ。日本代表になるだけじゃだめだ」と強く感じました。世界選手権が終わってから、世界と戦いたい、ステップアップしたいと考えた。覚悟を決めて、鈴木コーチに本格的に教えてもらおうと思いました。

今取り組んでいるのは、100~150メートルのラップを上げることです。スピードを上げている感覚を持たずに、タイムを上げたい。大事なのはワンストロークで長く進むような泳ぎです。ワンストロークで距離が伸びれば、自然と速くなってくる。

この間、レストランで後ろに座った小学生から「カツオだ、カツオだ」というひそひそ話が聞こえました。何だか、うれしかったですね。東京五輪ではぜひスタンドの皆さんに「カツオ」コールをしてもらいたいです。みんなに名前を呼んでもらえると本当にパワーが湧いてくるんです。(282人目)