バスケットボール日本代表がいつかオリンピック(五輪)でメダルを獲得するようになって欲しい。そのために世界で活躍する選手を育成して貢献したい。そんな思いから、約15年前にプロチームを創設しました。大半のクラブが「日本一」を目標に置いていた当時、クラブポリシーとして「世界」を掲げていた珍しい存在だったと自認しています。

バスケを通じて人と人がつながっていき、1つになっていきたい。アースフレンズ東京Zというチーム名には、そんな願いを込めています。Zというアルファベットは「究極」という意味を持つそうで、世界で活躍する究極の人材を輩出していこうという思いも詰まっています。

本拠地は東京都の城南地区。世界に挑むチームをつくるのなら、国際的な知名度がある東京周辺にホームタウンを置きたいという考えがそもそもありました。経営面でいえば、人口が多いほどファン獲得の可能性があり、スポンサーの獲得も見込める。さらにいえば、東京の真ん中で勝負したいという憧れのような思いも抱いていました。

現在の立ち位置はBリーグ2部にあたるB2。昨季は中地区最下位でしたが、新しいシーズンに向け、戦力は例年以上に整っています。若手選手が順調に育ってきていることに加え、オフには経験豊富な3人の選手が加わりました。その1人の綿貫瞬は、B1で長く活躍してきた選手。そして坂井レオはB2過去4シーズンで優勝2回と勝つ経験を持っている。さらに岡田優介は日本代表経験がある実力派。将来の代表入りを目指す若い選手たちに、コート内外でいい影響を与えてくれると信じています。

10月のシーズン開幕が待ち遠しい一方、新型コロナの存在は悩みの種。親会社の支援がない我々ベンチャークラブは、チケット収入やスポンサー収入への依存度が大きく、感染症拡大の影響は甚大です。ただ先行き不透明で、かじ取りが難しいときだからこそ、経営者としての判断力とセンスが問われるとも感じています。まずはコロナによる影響が少ない部分、例えばオンラインでのグッズ販売や、動画配信強化などに注力したいと考えています。

1年延期された東京五輪開催可否について、さまざまな声が出ています。僕は基本的に、イメージが現実になると思うタイプ。開催できるという希望を持ち、その選択肢に向けて行動していきたいですね。(314人目)