2018年ユースオリンピック(五輪)が開催されると決まったときに、ブレイキン(ブレイクダンス)がスポーツになるんだという驚きと興奮でいっぱいでした。24年パリ五輪で正式種目として初めて採用されることで、新しいスタートと捉えています。オリンピックというステージで自分をレペゼン(代表)できるのは、とても素晴らしいことです。目の前の課題を克服していきながら、「かっこよくクリーン」なダンスを突き詰めたいです。

ダンスとの出会いは、小学校1年生です。お姉ちゃんが通っていたスタジオでヒップホップを教わりました。「ウインドミル(風車のように体を回転させる技)」をやってみたくて、5年生の頃からブレイキンも並行して習うようになりました。そのレッスンで先生だったのが、カツさん(日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス本部の石川勝之部長)です。

カツさんとの出会いが、ブレイキンを今でも続けている大きな要因です。ストイックに技を磨くのも大事だけど、バトルに負けたときでも楽しかった。

上達するうちに大会に出場するようになり、年齢も国籍も違う幅広い人たちと知り合いました。初めて海外に行ったのもブレイキンがきっかけです。英語があまりしゃべれない頃から外国人の友達ができるようになったり、いつも応援してくれる家族への感謝を感じたり。競技によって自分の視野を広げてもらっています。

19年世界選手権で優勝した時に音に合わせて盛り上がる独特の雰囲気が、少しずつ一般の人たちにも伝わっている感じがしました。良い雰囲気で踊らせてもらい、知らない人たちからも受け入れてもらえる感覚がしました。

両親共にスポーツが好きなので、五輪の時期はいつも家族でテレビにくぎ付けでした。フィギュアスケートはよく見ていて、浅田真央さんや荒川静香さんが氷上で演じる姿は今も目に焼き付いています。延期となった東京五輪への思いは変わりません。どんな大会になるのか。パリ五輪に出場する自分の姿を想像しながら、選手のみなさんを応援します。(344人目)