男子バスケットボールのリオ五輪最終予選へ向け、日本の最終兵器がベールを脱いだ。米国カレッジバスケットNCAA(全米大学体育協会)で活躍する渡辺雄太(21=ジョージ・ワシントン大)が8日、NTCで行われた合宿初日からダンクシュートを連発した。203センチの身長ながら、守備ではガードの田臥勇太(35=栃木)とマッチアップ。オールラウンダーの活躍が、超難関の最終予選突破のカギを握る。

 ひと回りもふた回りも大きくなって、渡辺が代表に帰ってきた。合宿初日の実戦練習でいきなり、左手でわしづかみにしたボールをリングの上からたたき込む。さらに最後のシュート練習では、片手、両手とダンクシュートを連発した。2メートルを超す日本人選手でもあまりチャレンジしないダンクを米国帰りの渡辺が、簡単に沈めていった。

 「本番でもダンクはいけると思うし、しないといけない。海外の選手とは体格が劣るからこそ、簡単にレイアップ(下からのシュート)はできない。いけるときはどんどんいきます」と、渡辺は最終予選への抱負を語った。NCAAの名門ジョージ・ワシントン大2年で、今年はチームの中心として活躍。特に守備面では相手のエースのマークを任されるなど、オールラウンドの選手に成長した。昨年は学業優先のため合宿のみ参加も、今回は長谷川健志ヘッドコーチ(HC)が大学に直談判して代表に連れてきた。

 守備練習では173センチのガード、田臥とマッチアップ。そのスピードに振り回されることなくマークしてみせた。「ボクとマッチアップできるんだから運動能力はすごい。ポジションの幅も広いし、代表にプラスになる選手が入ってくれた」と舌を巻いた。

 長谷川HCも「彼のいいところは守備ができることと、狙って1対1で打開できる。195センチ以上でそういう選手は日本にいない」と期待を寄せる。欧州の強豪相手に戦う最終予選を、チーム最年少の渡辺が引っ張る。【桝田朗】

 ◆渡辺雄太(わたなべ・ゆうた)1994年(平6)10月13日生まれ。香川県三木町出身。小1でバスケットを始め、尽誠学園時代には11年、12年と全国高校選手権で2年連続準優勝。高校卒業後に米国に渡り、セント・トーマス・モア・スクールを経てNCAA1部ジョージ・ワシントン大入り。日本代表には高2の11年4月に高校生として初めて代表入り。13年アジア選手権に出場した。両親はともに実業団バスケットの選手。母久美さんは元日本代表。姉夕貴さんもアイシンの元選手。203センチ、89キロ。

 ◆リオ五輪世界最終予選

 18カ国が6カ国ずつ3組に分かれ、それぞれの1位が出場権を得る。18カ国中世界ランク最下位48位の日本は、6位セルビア、15位アンゴラ、16位プエルトリコ、35位ラトビア、42位チェコと同組。14日から始まる中国遠征を経てメンバーを16人から12人に絞り込み、23日からの合宿とフランス遠征を終え、7月4日からセルビア・ベオグラードで開幕する予選リーグに出発する。予選B組に入った日本は、4日にラトビア、6日にチェコと対戦。その中で上位2チームに入れば、8日の準決勝に進出。勝てば9日の決勝に進み、優勝するとリオ五輪出場となる。過去にアジア勢の最終予選成績は8戦全敗。