カヤックシングルの矢沢一輝(善光寺大勧進)は予選14位で準決勝に進んだ。

 矢沢は「1本目より良くしようという気持ちが強過ぎた」と2本目では3度、旗門に触れてしまった。それでも1本目の成績で上位15人までが進める準決勝に何とか滑り込んだ。

 善光寺大勧進のお坊さんという一面を持つ。一度は国際舞台から離れ、「この舞台は全く考えてなかった」と“予想外”で手にした3度目の五輪切符。「自分でもこんなに落ち着けるなんて」と驚くほど平常心で臨めたという1本目は、冷静なパドルさばきが光った。「1位とか2位とか取る予定はないので。準決勝も1本目のようにこげれば」と無欲で突き進む。