号砲が鳴らない…。東京五輪へ向けた最後の選考レースで、まさかのアクシデントが発生した。

午前9時15分のスタートに向け、各選手はトラック上で準備。だが「10秒前」のコールの後、予定の時間が経過しても号砲が鳴らなかった。

この状況が1分以上続くと、川内優輝(33=あいおいニッセイ同和損保)も苦笑い。雨が降りしきる中、スタッフの呼びかけで一度、選手たちは引き揚げた。

アナウンスによると原因は「スタート機の不調」。10分後の9時25分にスタートしたが、大切なレースに水が差された。

2時間14分33秒の25位となった川内は「単純に面白かった。リラックスして、いい状態で5キロまでは走ったんですが…」と以降のスピード不足を痛感。2時間15分36秒で30位となった大塚祥平(25=九電工)は「MGCでも遅れたので、動揺とかはなかった」と冷静に振り返った。

大会主催者はレース後に詳細を説明し、謝罪した。

「ピストルが鳴らず、タイマーだけが作動した。ピストルが鳴らなかった直後、予備のピストルも含めて確認したが、原因が分からなかった。タイマーをリセットして、10分後にスタートした。ピストルと計測器は連動しており、ピストルが鳴ったタイミングでタイマーが動く。6日のリハーサル、本日も確認をさせていただいた結果は、正常に作動していた。今後は電動ではなく、手動ピストルの準備など、当初のピストルや計測器に不具合が出た場合にも、対応できるようにしていきたい。大変申し訳ありません」

優勝は2時間7分29秒のエバンス・チェベト(ケニア)となった。