陸上の日本選手権女子500メートルを優勝し、東京オリンピック(五輪)の代表に内定した田中希実(21=豊田自動織機TC)はレースから一夜明けた5日、大阪市内での記者会見に出席した。

レース前の記録会では好調時のタイムが出ていなかった。「苦しい思いをして(代表の)権利を勝ち取ることができた。苦しかった分、安心やうれしいよりも、まだ実感がわかない」と心境を述べた。広中璃梨佳(20=日本郵政グループ)を追走し、残り半周のスパートで競り勝った。レース後は「泣いた」、「涙が出た」などのメッセージも多く届いたという。「すごく出し切れたレースだけど、そこまで何か感じてもらえたのはうれしかった」と振り返った。

今季は1500メートルと3000メートルで日本新を塗り替えるなど幅広い距離での活躍が光った。「今回権利を得られたことで、1万メートルとかいろんな種目にチャレンジできる」。今季は走っていない距離にも意欲を示した。東京五輪へ向けては「今より強くなって臨めるのではないか自分自身へのプレッシャーとか期待はあるけれども頑張りたい」と語った。