陸上の日本選手権男子1万メートルを、27分18秒75の日本新記録で制し、東京オリンピック(五輪)代表に内定した相沢晃(23=旭化成)がレースから一夜明けた5日、世界を志す箱根ランナーへメッセージを語った。

東洋大4年だった今年の箱根駅伝では2区の区間新記録を樹立。「学生最強ランナー」は鳴り物入りで実業団に進み、強さは加速した。旭化成の先輩である村山紘太が持っていた従来の日本新を10秒以上も更新。大阪市内での記者会見に出席し、世界を目標とする大学生へ伝えたいことを問われた。

「大学で箱根駅伝がゴールと考えてしまう選手がたくさんいる。自分も箱根から世界へと思っていたが、やはり箱根が終わった後は、どうしても気持ちが落ち込んでしまうことが正直あった。ですが、今、結果を残せたのは、これから世界を目指さなくてはいけないと思えたからだと思う」。

駅伝文化はランナーの裾野を広げ、注目度も高いが、世界大会での種目ではない。

「駅伝は本当に競技の1つだと割り切る。トラック、ロードと他にいろんな種目があるので、そういうものを見据えて、大学生はこれからやってほしい」。

今季に塗り替えられた世界記録は26分11秒00。東京五輪へ向けては、スピードの強化に重点を置く。代表入りも視野に入れて、積極的に5000メートルにも取り組む。「世界記録とは、まだまだ1分以上の差がある。今回は(400メートルを)66秒ペースで、いかにきついと思わないで、走れるかに重点を置いた。そのベースをどれだけ上げられるかが課題」と語った。