女子第2号は「神童」の幼なじみだ。女子フライ級(48~51キロ)の並木月海(21=自衛隊)が準々決勝でタイ選手を5-0で破り、東京五輪代表を決めた。

153センチの小柄ながら左の強打で世界と渡り合う18年世界選手権銅メダリスト。「自力で取りたい」との誓いを胸に、左ストレートで相手を何度ものけぞらせた。格闘技は年中で始めた空手から。初試合だった千葉県の地域大会決勝で対戦したのが、いまのキックボクシング界の「神童」那須川天心だった。負けたが、それから仲良くなり、合同練習も度々してきた。中2でボクシングを始めると、一気に頭角を現し、日本、世界と活躍の場を広げた。那須川はパンチ力の源を空手のキックで鍛えた下半身の力を、うまく拳の先に伝えていると分析する。

いまや日本格闘技界の顔とも言える親友の活躍に、並木はライバル心を隠さない。「憧れというより追い抜きたい」。その絶好の舞台は五輪以外にはない。